本のレビュー。
今日は、三浦しをんの「きみはポラリス」です。
三浦しをんは最近になってぽつぽつ読み始めました。
いまどきあんまり読めない古風さのある丁寧な文体と、漫画ちっくなキャラ立ちが徹底されつつ、適度な複雑さが味わえて、読みやすい。
この本は恋愛について本気だして考えてみた短編集。あわ~い少年愛とBLの中間色の2本の小説に挟まれて(笑)いろんなテーマで、さまざまな角度から、ストーリーがつづられています。
謎の多い彼氏とのハチャメチャだけど夢と愛たっぷりに生きるロマンチックな話「森を歩く」、
貧乏で結婚する予定立てられないし同居中の彼氏への不満もたくさんある主人公が、ちょっと妙な遠回りをしつつふたりで生きることを考えていく「優雅な生活」が好きでした。
「骨片」もよかったけど少しさみしかったかな。
小粒でもぴりりと辛い小説が多いので、一風変わった恋愛小説が読みたい方にお勧めしたいです。ひねくれ者でも素直に読めます。
(以降、勝手な意見)著者はエッセイからも伺える通り、BLばっちこいな方であるため、良く「なんとはなしBL」を書かれます。が、どうやら愛がありすぎて(そして、恐らく敬愛する作家さんなどもたくさんいらっしゃるのでは)BL系のお話になるとどうにも他の作品に見られるような勢いが若干なくなる気がします。好きだからこそ本領発揮できなかったり、ついつい好きなシチュエーションばかり書いてしまう、なんてことがあるのですかね。
今日はこのへんで。
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